鑑定団で発表された「四つ目の曜変天目(鑑定団天目)」の真贋騒動に対する反応への簡単なツッコミ その1

2016年12月20日放送されたテレビ東京の番組「開運!なんでも鑑定団」において、「国宝級の曜変天目」と報じられた茶碗(ここでは仮に「鑑定団天目」と呼ぶ)について、現在真贋騒動が持ち上がっています。それに対するTwitter上のいくつかのツイートに、私が勝手にツッコミを入れる、というだけの内容です。

 2017/1/27追記:その2がアップロードされました。

鑑定団で発表された「四つ目の曜変天目(鑑定団天目)」の真贋騒動に対する反応への簡単なツッコミ その2 - がちのブログ

注意

・一部言葉がきれいでない場合がありますが、愚痴の範囲とご容赦ください。

・特定のどなたの発言であるかは言及していません。また、複数人のコメントをまとめている場合があります。

・簡潔な言葉でコメントすることに重点を置いています。詳細な反論をお聞きになりたい方はコメントをお寄せいただくか、以下のTwitterにご連絡ください。

https://twitter.com/gachikibou

2017/1/31 一部修正しました。

 

【せっかくのロマンを批判でつぶすなよ。無粋】
ガラスをカットして作られたダイヤを追い求めるのがロマンなら、往年の名番組川口浩探検隊でも見て感動にむせんでいてください。

 

曜変天目はすでに再現されているみたいだから別に真贋にこだわらなくてもいいんじゃないの?】
ガラスをカットして作られたダイヤ、黄鉄鉱で作られた金塊を「本物」「世紀の発見」と呼びたいならどうぞ。

あと、再現された曜変天目、それは誰もが認めるものでしょうか?金属を含んだ釉薬で光らせる方法もあるのですが、見かけは似ていても作り方が全然違いますよ。

 

【手に取って見ていないのに評価をすること自体が非常識で間違っている】
確かにおっしゃることに一理はあります。しかし、例えばシメサバを「中トロだ」と称する寿司屋を紹介した番組を見たら、あなたは「食べてみなければ判断してはいけない」というのでしょうか。

「器を手に取らずとも道を挟んで向こう側からみても、偽物とわかるときはわかる」中島誠之助氏本人の言葉です。

 

曜変天目って別に商標でもないんだから、中島氏が「曜変天目」と呼んでもかまわないんじゃないの?】
「四本の細い足で歩く首の長い動物だから」ということで角の生えた雄鹿を「これは馬だ」と呼ぶことを許せるならどうぞ。

 

【手に取っている中島氏と手に取っていない○○なら、中島氏の評価のほうが信頼できる】
その論理だと、例えば「手に取っていない中島氏」は「手に取っているただの骨董好きのおっさん」に負ける、と図式も成り立ちますが、それでよいでしょうか?たとえ手に取ったからと言って、その人に十分な知識がなければ無意味ではありませんか?

 

【所詮骨董の価値なんて作られたものなんだから真贋なんて本来意味がない】
なるほど、それならばテレビによって「国宝に匹敵する発見!」とあおられて「作られた」鑑定団天目の価値も認めないということだと思いますので、もうこれ以上発言なさる必要はないかと存じます。

 

【鑑定歴数十年の中島誠之助がそうそう誤鑑定など起こすはずがない】
天目茶碗の研究家でもない、国宝三点を手に取ったことがない人間が行った「鑑定」に対して、その道数十年の研究者が複数異議を唱えていることを理解したうえで、なおもそのようにおっしゃるなら、私から言うことは何もありません。

 

【鑑定団は中島氏が鑑定する前に十分に下調べをしているはずだ】
今回の鑑定団天目が「十分に下調べをされた」という根拠をどうぞ。テレビ東京は「独自の判断に基づく」の一点張りで、どのような調査をしたかは一切公表してませんが。

www.huffingtonpost.jp

www.huffingtonpost.jp


あと、こちらのブログも参考にどうぞ。これが「十分に下調べをされた」上での鑑定なら、そのような下調べに意味があるのか疑問ですね。

blogs.yahoo.co.jp

 

【鑑定団天目のほうがわびさびを感じて国宝よりずっといい】
なるほど。ではまず、わびさびから最も離れた茶碗の名称である「曜変天目」という名前で鑑定団天目を呼ぶことをやめてくださいね。

 

【茶碗の価値は来歴などで変わる。茶碗だけをみて真贋を語るのは骨董の評価として間違っている】
あの茶碗のどこに素晴らしい「来歴」があるのか教えてください。家系図も曲げの箱も風呂敷も、後からいくらでも合わせられますよ。そもそも系図にも箱にも、肝心の「茶碗」に関する情報は全く載っていませんが。

 

【いや、鑑定団天目にも光彩はあった!中国のお土産品とは違う!】
では、見かけ上全然同じものに見えず、また国宝指定の曜変天目茶碗との違いをいくつも指摘されている鑑定団天目が、国宝三点の曜変天目に準ずるものとする根拠を、「中島誠之助氏がそういったから」という以外にどうぞ。

あと、その「光彩」、中国のおみやげ物でもうっすらとは出るらしいですよ。もちろん国宝の曜変天目とは原理が全然違いますが。

 

※こちらの記事に対する反論に関しては私のツイッターアカウントへの@ツイートかDM、または本コメント欄へのご連絡以外は無視させていただきます。また、ご連絡には数日かかる場合があることをご了承ください。