「鑑定団天目」真贋騒動に関連する情報まとめ ◎「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事

【注意事項とお願い】

・この記事は、【鑑定団で発表された「四つ目の曜変天目(鑑定団天目)」の真贋騒動に関連する情報まとめ】からの分割記事です。初めて来られた方は、まず上記リンクの注意文をお読みになってから本記事をお読みください。

・本記事を拡散していただく場合は、鑑定団で発表された「四つ目の曜変天目(鑑定団天目)」の真贋騒動に関連する情報まとめ】にリンクをしていただくようお願いいたします。

・もし私が見逃しているWeb上の記事などあるようでしたら、その旨ご連絡をいただけると大変助かります。お手数ですが関連URLなどを本記事コメント欄または私のツイッターアカウント(がち (@gachikibou) | Twitter)、メール(gachikibou@gmail.com)へお寄せください。

・誤字・脱字・記事の解釈間違いなどについても同様にお寄せいただけると助かります。

 

【最終更新情報】 ※更新履歴は記事の最後にまとめて記載しています。

2017/4/20

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に以下の記事を追加。

ネットで騒がれた「曜変天目茶碗」、国宝指定の品々が公開中 「息」のむ瑠璃色の小宇宙(2017/4/20)

 

※テレビ、ラジオでの情報はこちらの記事を参照してください。

 

世界で4つ目の曜変天目茶碗が発見される | 財経新聞(2016/12/22)

Web記事として鑑定結果に異論があることについて言及している最初の記事。新聞各紙が伝えた第一報の内容に付記する形で、大阪東洋陶磁美術館の小林仁氏のツイッター(後述)を引用し、異論があることを報道している。

筆者コメント:

TBSのデイキャッチの山田五郎氏の「違和感」を除くと、おそらく各種メディアでの真贋問題の初出。記事を書いたのは別記事記載のTogetterまとめを作成した偽教授(=藤沢文太)氏。

 

「なんでも鑑定団」国宝級茶碗で真贋論争 テレ東に根拠を尋ねてみたら...(ハフィントンポスト 2017/1/10)

ネット上での鑑定団の鑑定への異論(主にツイッター)をいくつか取り上げた他、後述する山田五郎氏のラジオ放送でのコメントも掲載している。テレビ東京にもメールで問い合わせをしているが「番組の制作過程については従前よりお答えしておりません。」という返事が返ってきたとのこと。

筆者コメント:

記者の吉川慧氏は継続して曜変天目に関する記事を担当しているが、その最初にあたる記事。

 

本物なら百億円!? 〈なんでも鑑定団〉“国宝”に疑問の声:週刊文春デジタル:週刊文春デジタル(週刊文春デジタル) - ニコニコチャンネル:社会・言論(週刊文春、2017/1/19)

おそらく真贋問題についての紙媒体での初出。リンク先全文は有料。記事の概要は長江惣吉氏の疑義を呈するコメント、某美術館学芸員の匿名コメント、中島誠之助氏夫人、鑑定団天目の持ち主のコメントを掲載。最後に徳島市教育委員会が鑑定団天目を調査している旨を載せている。

筆者コメント:

まだまだ浅い突っ込みだが、紙媒体での真贋問題の嚆矢ではあった。ただ、この記事よりも週刊ポストの記事から真贋問題が一気に盛り上がった感がある。 

 

なんでも鑑定団・国宝級茶碗に陶芸家「どう見てもまがい物」│NEWSポストセブン

なんでも鑑定団・2500万円茶碗に陶芸家が疑問の声上げた理由│NEWSポストセブン

週刊ポスト、2017/1/23)

2つの記事に分かれているが、2017/1/23発売の週刊ポストの記事「『開運!なんでも鑑定団』「国宝級茶碗」「ニセ物、本物」騒動の”鑑定”やいかに!」を二分したものなので合わせて読むとよい。長江惣吉氏のコメントのほか、沖縄県立芸術大学教授の森達也氏の否定的なコメント、長江惣吉氏に寄せられた中国の研究家孫建興氏、謝華道氏のメールも紹介。

筆者コメント:

雑誌では3ページを割いていた記事。紙面では稲葉天目と鑑定団天目の比較画像なども 掲載しておりわかりやすい。この報道とともに真贋問題がワイドショーでも取り上げられていった。

 

『曜変天目茶碗』の調査、徳島県が中止 所有者から「外部への資料提供を控える」(ハフィントンポスト、2017/1/23)

鑑定団天目の所有者が徳島県の調査を断ったことを報じたもの。徳島県教育文化財課の担当者に取材をしている。

筆者コメント:

この時点では所有者が調査を断った理由は明確にされていない。「あくまで「一旦保留」だと認識しています」とあるが、これは翌々日のワイドショーで放映された所有者コメントで覆されることになる。

 

「曜変天目茶碗ではない」陶芸家の長江惣吉氏が訴える なんでも鑑定団に異議(ハフィントンポスト、2017/1/25)

長江氏に実際に取材してコメントをもらっている。週刊文春週刊ポストと基本的に同じ内容だが、長江氏のコメントにより重点を置いている。

筆者コメント:

長江氏のコメントの辛辣度が他より高い。特に 最後のコメント「日本の恥です。本当に恥ずかしいことです。」が重い。

 

「曜変天目茶碗」の真贋論争は今、こうなっている テレビ東京はどう対応する?【なんでも鑑定団】(ハフィントンポスト、2017/1/26)

鑑定団天目の鑑定結果放映から2017/1/25までの各メディアの報道を時系列でまとめて紹介している。また、再度テレビ東京に真贋問題に関する問い合わせをしているが、「この件につきましては、以前もお伝えしました通り、特にこちらからお答えすることはありません。」との回答があったことを後にUpdateしている。

 筆者コメント:

ぶっちゃけ本稿をまとめるにあたって大いに参考にさせていただいた。今後も吉川慧氏のこの問題に関する記事に期待している。

 

「曜変天目茶碗」の真贋論争は今、こうなっている 【#なんでも鑑定団】(ハフィントンポスト、2017/1/25公開)

鑑定団天目真贋問題に関する記事を掲載し続けているハフィントンポストによるTwitterモーメント。今はあまり情報がまとめられていないが、真贋問題に関する一般のツイートなどもいくつかまとめに含まれている。おそらく今後も更新されると思われる。

 

「曜変天目茶碗」鑑定 県人所有品に真贋論争【徳島ニュース】- 徳島新聞社(2017/1/27)

 地元紙による真贋問題の報道。長江惣吉氏、沖縄県立芸術大学 森達也教授の異論コメントのほか、四国大学 須藤茂樹准教授の三好氏に関するコメントを載せている。

筆者コメント:

目新しさは特になく、先行報道とほぼ同じ。

 

なんでも鑑定団「茶碗」偽物疑惑 OB・石坂浩二の見解は?│NEWSポストセブン(2017/1/30) ※雑誌の記事とリンク先の内容に差異はない。

茶碗の真贋について目新しい点はなし。2016年3月まで鑑定団の司会者を務め、現在は兄弟番組の「開運!なんでも鑑定団 極上!お宝サロン」の司会の石坂浩二氏にインタビューしている。

筆者コメント:

「石坂さんがスタジオにいたら、こんな疑惑の鑑定は起こらなかった?」という問いもちょっとなぁ。石坂氏はそれこそ素人なので聞かれても困るだろう。

 

「なんでも鑑定団」で「国宝級の茶碗」と太鼓判押されたのに…専門家から疑義!徳島県教委が一転、文化財調査を中止(1/4ページ) - 産経WEST(2017/2/9)

おそらく真贋問題の全国紙の初出。徳島県教育委員会が調査を取りやめたことを軸に、SNSでの専門家の疑問の声(おそらく小林仁氏の一連のツイート、こちらの記事を参照)があったことを紹介。さらに長江氏にもインタビュー。また某美術館学芸員の疑問の声も紹介している。テレビ東京にも取材を試みているが「鑑定は番組独自の見解」との回答のみであったとのこと。

筆者コメント:

まず、徳島県教育委員会の調査が中止になったことが「9日、分かった」と言っているが、本記事でも紹介している通り1/23にはハフィントンポストが、1/25にはワイドショー各番組がすでに報じている(こちら参照)のでちょっと情報が遅すぎる。しかし、全国紙の記事としては初となる点は評価したい。

相変わらずテレ東は「独自の見解」バリアを発動しているようだが、さてどこまで突っぱねるかな。

 

「なんでも鑑定団」の曜変天目問題への声明 | 長江惣吉 (2017/2/10)

ハフィントンポストへの九代目長江惣吉氏の寄稿。以前からの氏の主張である「鑑定団天目は現代中国の土産物レベル」である旨を述べたうえで、この判断を「100%自信がある」とし、さらにテレビ東京に対し以下の三点を内容証明で要求したことを述べている。

1、件の茶碗(鑑定団天目)の再鑑定の実施。
2、番組であの茶碗(鑑定団天目)を「南宋時代の建窯作の曜変天目に間違いなし」と鑑定した根拠の公表。
3、再鑑定が不可能な場合は番組の鑑定の白紙撤回。

さらに、しかるべき回答がない場合は、BPO放送倫理・番組向上機構)に対し放送倫理違反の審査請求を行う、としている。

筆者コメント:

ここまでぶっこんで来るか、という内容。長江氏は鑑定団天目を「殺し」に来ている。過去に古陶磁の鑑定に関する事件としては有名な「永仁の壺事件」があるが、告発側の追求として、一個人の活動としては例はないのではないか。確かに、2/9に産経新聞では取り上げられたものの、テレ東の対応を見る限りこの後の事態の進展は見込めなかった。それを積極的に推し進め、突破しようとする意志が感じられる記事。

 

【衝撃事件の核心】「中国の土産物屋で数千円レベル」なんでも鑑定団〝国宝級茶碗〟騒動余波 ネットも過熱「娯楽番組では済まされないぞ」(1/4ページ) - 産経WEST(2017/2/16)

2017/2/9の産経新聞報道の続報的記事。とはいえ内容に新しい点は少なく、これまでの経緯に加え、2/9の記事を受けてのツイッター上での真贋問題に関する反応や、茶碗の持ち主がこの件について脅迫めいた電話を受けたりしていることを伝えている。

筆者コメント:

正直内容に新しい点はなく、前回の産経WESTの内容を受けた世間の反応を報じているにとどまる。ただ、産経WESTとしてはテレ東を追及する方針のように読み取れる。

 

徳島市男性の「曜変茶碗」 化学顔料ほぼ検出されず【徳島ニュース】- 徳島新聞社(2017/2/28)

「贋作ではないか」との批判を受け、所有者の男性が奈良大学の魚島純一教授(保存科学)に鑑定団天目の分析を依頼、蛍光X線分析を実施したところ、化学顔料に使われる成分はごくわずかしか検出されなかったことを伝えたもの。魚島教授はX線釉薬の各発色部にそれぞれ照射したが「ほぼ同じ成分が検出された」と述べた。長江氏の主張によれば、黒以外の発色部分はそれぞれ異なる化学染料を用いているはずであるため、以前より鑑定団天目の真贋に疑問を呈している長江惣吉氏の「鑑定団天目は現代中国で化学顔料を使って作られた」という説は覆される形となった。

2017/3/4追記:

以下のメディアでも取り上げられていることを確認しました。趣旨は先行した徳島新聞と変わらないので列記のみとします。

「テレビで話題になってしまった茶碗」奈良大が分析 「実物を見ず真贋云々に疑問」 - ITmedia NEWS

 

筆者コメント:

化学顔料使用の否定自体は、長江氏の主張を大きく後退させる部分である。どのような結果を以って魚島氏がこの判断を下したか不明だが、ぜひとも分析の詳細結果を明らかにし、ほかの専門家の評価を待ちたい。

ただ、この結果をもって「真贋論争に決着がついた」と騒ぐ人々が多いことに私は非常に驚いた。この結果は単に「科学顔料を使用していない」という判断をしたにすぎず、年代測定にもなっておらず、また南宋建窯の茶碗と同じ組成であるかも明らかにはしていない。この茶碗が南宋建窯の茶碗である、と証明するには南宋の天目茶碗(別に曜変天目でなくてもよい)の資料と比較した詳細な分析を期待したいところである。

なお、なぜ奈良大学の教授が分析を引き受けたか疑問だったが、魚島氏は徳島県立博物館に勤務していたことがあるようなので(年数などは調査不足のため不明)、その縁によるものではないか。

 

テレビで話題になってしまった茶碗の分析を本学でおこないました | 文化財学科からのお知らせ | 文学部:文化財学科 | 学部・大学院 | 奈良大学(2017/3/1)

奈良大学文化財学科は、鑑定団天目の蛍光X線分析を行った魚島教授の所属する学科。発色の原因となるような元素は検出されず(つまり顔料となるほどの量は検出されず)、「赤、青、緑、白(黄)、黒のどの色に見える部分」も成分に大きな違いはない(つまり単一成分の釉薬が使用されている)と発表。実物を見ずに「ニセモノだと言う人達」(特に長江惣吉氏を指していると思われる)の主張するような、「科学顔料を使用して作られた茶碗」ではない、としている。

筆者コメント:

「「現地現物主義」という考え方を大きな柱として」「文化財の調査に臨む」と〆ているところなど、ずいぶんふるった文章である。ただ、化学顔料が使用されていなかったことを分析によって示したことは大いに評価されるべきである。

ところでせっかくなのでこのまま「現物主義」を貫いて、南宋の天目茶碗との比較分析も実施してもらえないだろうか。そうすれば少なくとも鑑定団天目が「南宋建窯産かどうか」を判断する有力な材料となるのだが。

 

 

なんでも鑑定団“茶碗を「国宝級」騒動”でBPOに申し立て 愛知の陶芸家ら - 産経WEST(2017/3/2)

鑑定団の曜変天目「テレ東の対応疑問」BPOに申し立て【徳島ニュース】- 徳島新聞社(2017/3/2)

※記事の主旨にほぼ差がないことと、記事のWeb上での発表時間に大きな差がないことから一つにまとめております。掲載順は発表時間の早い順です(産経WESTのほうが2時間ほど早い)

 2017/2/10のハフィントンポスト上での声明のとおり、テレビ東京から鑑定に関する疑問への回答がなかったことを受けて、長江惣吉氏がBPOに番組内容の審議を申し立てたもの。鑑定団での鑑定の根拠を示すことや、場合によっては再鑑定を実施するよう求める申請となっているとのこと。テレビ東京はこれをうけて「特にコメントはございません」としている。

 2017/3/4追記:

以下のメディアでも取り上げられていることを確認しました。趣旨は先行した産経・徳島新聞と変わらないので列記のみとします。

陶芸家:テレ東の「曜変天目」鑑定に疑問 BPOに意見 - 毎日新聞(2017/3/3)

「国宝級」に疑義…陶芸家が「鑑定団」検証要望 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2017/3/4)

筆者コメント:

奈良大学の分析結果が出た翌々日(奈良大学のコメントの翌日)という、なんとも劇的なタイミングでの申し立てである。とはいえ、テレビ東京から有効な回答が一切ない状態なので長江氏としては既定路線であろう。

なお、産経WESTで魚島氏は「分析結果は茶碗の評価の真がんを判断するものではない」とコメントしている。ここら辺の線引きというか、距離の測り方は実に巧妙であると思う。

 

真偽論争に発展した「なんでも鑑定団」の茶碗を奈良大学が分析 偽物に使われる釉薬の成分は検出されず - ねとらぼ(2017/3/3) 

事実関係については先行する産経WEST、徳島新聞と変わらず。加えて長江氏のYoutubeの動画とその趣旨をまとめている。

筆者コメント:

冒頭に「疑惑を否定している」と書いているのに、その後で「本物の曜変天目茶碗かどうかについては、まだ証明できていないと慎重な姿勢を見せています」と書いていて、記事内で矛盾しているように思うのだが。

 

4点目「曜変天目」は本物? 「なんでも鑑定団」で波紋:朝日新聞デジタル(2017/3/7)

2016年12月に鑑定団天目が曜変天目であると発表されたこと、疑問の声があがり徳島県の調査が中止されたこと、奈良大の分析結果と長江氏のBPOへの審査請求などを簡潔にまとめている他、天目茶碗の定義や通常の古美術の鑑定方法、さらに上智大学碓井広正義教授(メディア論)にもコメントを求めている。
筆者コメント:
内容に新しさはない。しかし、これまでの経緯が簡潔にまとまっており、また騒動を理解する情報もそろっていて、この記事からこの問題を知った読者にもよくわかりやすい良記事だと思う。また碓井氏のコメントは、これまでの記事にはなかった新しい視点であり、ごく短い内容だが読むに値すると思う。

 

「なんでも鑑定団」の曜変天目、"ニセモノ"指摘覆す分析? 陶芸家「極めてずさんな調査」と反論ハフィントンポスト 2017/3/7)

奈良大学の分析結果とホームページのコメントを紹介。この結果を受けた長江氏は、奈良大学の分析結果の資料を見たうえで、今回の分析機器がクロムの値が正確に出ないものであること、検体(茶碗)を純水で洗浄していないことから「極めてずさんな調査という印象を受けた」とコメントしている。

筆者コメント:

私はこれまで奈良大の長江氏のコメントが、その分析データを見ないで発言しているものだと思い込んでいたが、この記事を読む限りでは何らかのデータが長江氏に渡っているようである。データの詳細が不明ではあるが、たとえ長江氏批判する点が分析結果に影響を与えてなかったとしても、少なくとも真贋を判定するのに十分なデータが取れているとはいいがたい状況に変わりはない。やはり、さらなる分析、出来れば当時の天目茶碗の陶片などのデータと比較可能な検証が行われることを期待したい。

 

本物か判定できぬ…BPO「鑑定団」審議せず : カルチャー : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2017/3/10)

テレビ東京なんでも鑑定団 「曜変天目茶碗」真贋論争 BPOは審議せず 「判定能力ない」 - 産経ニュース(2017/3/10)

3/4に報道された長江氏のBPOへの訴えを、BPOの放送倫理憲章委員会が鑑定団を審議対象としないことを決めた、との報道。

筆者コメント:

ようするにBPOでは本物かどうかわからないので判断できません、という話。ちょっとBPOの判断基準がよくわからないが、たぶん社会的な影響が(医療問題などと比べて)少ないので、こういう判断でも問題ない、ということなのだろう。

 

曜変天目茶碗の真贋論争 「奈良大の分析に欠陥」【徳島ニュース】- 徳島新聞社(2017/3/18)

3/7のハフィントンポストの記事他で報じられたように長江氏が奈良大学の魚島教授の分析結果に異議を唱えたことを取り上げているが、後半ではさらに長江氏の異議の内容を

・緑の元素であるクロムを検出できない分析装置を使用している

・宋代の釉薬で検出されるはずのマンガンが出ていない

と詳しく紹介。これに対し魚島氏は長江氏の指摘を認めたうえで、クロム以外の化学顔料が検出されていないことを改めて主張、「陶器が偽物だと断定できなくなった結果に変わりはない」としている。

筆者コメント:

この記事で最も重要なのは、釉薬からマンガンが検出されていない」ということ。宋代の天目茶碗に使用されている釉薬にはマンガンが含まれていることが明らかになっている。この奈良大学の分析結果の「化学顔料を使用していない」という分析結果を信用するのならば、同時に「マンガンが検出されていない」という点も認めなければならない。つまり、その時点で「宋代の天目茶碗」の釉薬の組成とは異なっていることも認める必要があるのだ。

 

【衝撃事件の核心】〝国宝級茶碗〟の真贋はドロ沼「神学論争」に なんでも鑑定団騒動…今度はX線分析結果に専門家が猛反論(2/4ページ) - 産経WEST(2017/3/27)

なんでも鑑定団“国宝級茶碗”騒動おさまらず 専門家ら論争、真贋の行方は…:イザ!(2017/3/27)

内容に目新しさはなく、2016/12/20の鑑定団での評価から2017/3/1に発表された奈良大学の分析結果、さらにその後の長江惣吉氏の反論までをまとめている。

筆者コメント:

この記事を見ると、長江氏に渡っている分析データはあまり詳細なものではないようだ。また、「青、赤、白、緑の色がついた部分からマンガンが検出されているが、大部分を占める黒い部分からは検出されていない」とあるため、まったく検出されていないわけではないようだ。まあ、肝心の黒釉部分から検出されていなければ同じではあるのだが。

 

なんでも鑑定団 「疑惑の茶碗」の真贋論争が泥沼化│NEWSポストセブン(2017/4/4)

自誌の2017/2/3号の鑑定団天目に関する記事(こちらこちら)以降の長江氏の異議と奈良大学の魚島氏の分析、それに対する長江氏の反論と魚島氏の再反論をまとめており、最後に現在の所有者の「最初から偽物と決めつけず客観的に調査をしてくれる先があるなら、再調査に協力してもいいと考えています」とのコメントを載せている。

筆者コメント:

目新しい内容はないが、しいて言うと魚島氏の「今回の分析は定性分析だ」というコメントから「奈良大学が鑑定団天目の真贋を明らかにする気はない」ということが改めて示された。そもそも、奈良大学にはおそらく「南宋の天目茶碗か否か」を独自に判断する能力はたぶんないだろうし、そういう方向で疑惑を追及する意思もないだろう。

 
ネットで騒がれた「曜変天目茶碗」、国宝指定の品々が公開中 「息」のむ瑠璃色の小宇宙(2017/4/20)

記事の最初と最後に鑑定団天目に関する言及があるが、本記事ではそれよりも実際に国宝に指定されている曜変天目、特に定期的に公開されている静嘉堂文庫美術館曜変天目(稲葉天目)と藤田美術館曜変天目(水戸天目)に注目し、曜変天目がどのような茶碗かをそれぞれの美術館に取材している。

筆者コメント:

実に好ましい記事。曜変天目がどのように世間で珍重され、またそれぞれの美術館の創始者一族がどのような思いで手に入れたかをよく取材していると思う。そしてなにより、「まずは、本物を自分の目で見てほしい」という言葉が重い。そう、まずは現在国宝として「認められている」曜変天目を見て、それを基準に鑑定団天目がどういうものかを考えるべきなのだ。

 

【更新履歴】誤字等の細かな修正履歴は割愛します

2017/1/27:

・記事を公開。

 

2017/1/30:

・「◎「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・Webメディアの記事」に、なんでも鑑定団「茶碗」偽物疑惑 OB・石坂浩二の見解は?│NEWSポストセブン(2017/1/30)を追加。

・本記事を分割。

 

2017/2/10:

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に、「なんでも鑑定団」で「国宝級の茶碗」と太鼓判押されたのに…専門家から疑義!徳島県教委が一転、文化財調査を中止(1/4ページ) - 産経WEST を追加。

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に、「なんでも鑑定団」の曜変天目問題への声明 | 長江惣吉 を追加。

 

2017/2/16:

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に、【衝撃事件の核心】「中国の土産物屋で数千円レベル」なんでも鑑定団〝国宝級茶碗〟騒動余波 ネットも過熱「娯楽番組では済まされないぞ」(1/4ページ) - 産経WEST を追加。

 

 

2017/2/28:

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に、徳島市男性の「曜変茶碗」 化学顔料ほぼ検出されず【徳島ニュース】- 徳島新聞社(2017/2/28)を追加。

 

2017/3/1:

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に、徳島市男性の「曜変茶碗」 化学顔料ほぼ検出されず【徳島ニュース】- 徳島新聞社(2017/2/28)を追加。

 

2017/3/2:

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に以下の三点を追加。

テレビで話題になってしまった茶碗の分析を本学でおこないました | 文化財学科からのお知らせ | 文学部:文化財学科 | 学部・大学院 | 奈良大学(2017/3/1)

なんでも鑑定団“茶碗を「国宝級」騒動”でBPOに申し立て 愛知の陶芸家ら - 産経WEST(2017/3/2)

鑑定団の曜変天目「テレ東の対応疑問」BPOに申し立て【徳島ニュース】- 徳島新聞社(2017/3/2)

 

2017/3/4:

「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に以下を追加(目新しい情報や知見はありません)

真偽論争に発展した「なんでも鑑定団」の茶碗を奈良大学が分析 偽物に使われる釉薬の成分は検出されず - ねとらぼ(2017/3/3) 

陶芸家:テレ東の「曜変天目」鑑定に疑問 BPOに意見 - 毎日新聞(2017/3/3)

「国宝級」に疑義…陶芸家が「鑑定団」検証要望 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2017/3/4)

 

2017/3/7:

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に以下の記事を追加。

4点目「曜変天目」は本物? 「なんでも鑑定団」で波紋:朝日新聞デジタル(2017/3/7)

「なんでも鑑定団」の曜変天目、"ニセモノ"指摘覆す分析? 陶芸家「極めてずさんな調査」と反論ハフィントンポスト 2017/3/7)

 

2017/3/10:

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に以下の記事を追加。

本物か判定できぬ…BPO「鑑定団」審議せず : カルチャー : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2017/3/10)

テレビ東京なんでも鑑定団 「曜変天目茶碗」真贋論争 BPOは審議せず 「判定能力ない」 - 産経ニュース(2017/3/10)

 

2017/3/18

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に以下の記事を追加。

曜変天目茶碗の真贋論争 「奈良大の分析に欠陥」【徳島ニュース】- 徳島新聞社(2017/3/18)

 

2017/3/27

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に以下の記事を追加。

【衝撃事件の核心】〝国宝級茶碗〟の真贋はドロ沼「神学論争」に なんでも鑑定団騒動…今度はX線分析結果に専門家が猛反論(2/4ページ) - 産経WEST(2017/3/27)

なんでも鑑定団“国宝級茶碗”騒動おさまらず 専門家ら論争、真贋の行方は…:イザ!(2017/3/27)

 

2017/4/5

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に以下の記事を追加。

なんでも鑑定団 「疑惑の茶碗」の真贋論争が泥沼化│NEWSポストセブン(2017/4/4)

 

2017/4/20

・「「鑑定団天目の真贋」について言及している新聞・雑誌・Webメディアの記事」に以下の記事を追加。

ネットで騒がれた「曜変天目茶碗」、国宝指定の品々が公開中 「息」のむ瑠璃色の小宇宙(2017/4/20)